【タクティクス講座14編《サイドマークから下マークへ(スタート地点)》】
このサイドマーク回航(スタートからサイドマーク回航)までがレースの最も集中力
の必要な部分だと感じています。ほぼこれで大まかな順位は決まってきていると言っ
ても言い過ぎではないと思います。
たとえばこんな表現だと分かりやすいかも!
数値で表現してみましょう。1レースで消費するエネルギーを【数値100】としまし
ます。上マークから1サイドマークまでに【70~80】のエネルギーをここまで(スター
トからサイドマークまで)に費やしてもいいでしょう。後のレグは残った【20~30】を上
手く使い分けてゴールに向って行くことになるわけです。

サイドマーク回航(ジャイブ)はなるべく、インコースをつきましょう。
インコースをつくことによって、次の下マーク回航までのラインでより風上側をキー
プ出来るからです。上側をキープすることで入ってくるブローをいち早くキャッチで
きます。
そして下マークまでのタクティクスの幅が大きく広がるからです。
またマークのインサイドをギリギリ通過することで下側の艇に風を与えないというの
も大きなポイントにもなってきます。

<よく見るケース>ガムシャラにマークに突っ込みそしてジャイブの光景。
サイドマーク回航ですが、一団となってマーク回航した時にはルール上色々なケース
が考えられます。そのルールとは(マークの手前2艇身となる前にオーバーラップし
ている時はマーク下側にいる選手にルームを与えなければならない)というルールです。
その為、マークの手前でボード2艇身(2本分で約7~8m)以内でオーバーラップ(ボー
ドが相手艇と重なる)してもルーム(下側の選手がジャイブするエリア)は認められず
に、上側の選手に優先権がある。というものです。
混戦でジャイブに入る場合は、下側の選手は必ずマークの手前(2艇身)となる前にオ
ーバーラップさせて、上側の選手に声を出してルームの要求をするようにしましょう。
『ルームを下さ~い!!』っと大きな声で。
そうしないと上側の選手にマークのインを衝かれて激突っ!てケースをよく見かけま
すので・・!

私はこのマーク回航の混戦を避けるために、なるべく自分1人で回航するように組み
立てていました。レグの後半になったら、今のスピードのまま、たとえばそこまで(
サイドマーク)行ったらどのような回航が想定されるかの予測をたてます。そして、
早めに速度を調整(加速か減速かですが多くの場合はより加速)してなるべく回航位置
になった時には自分1人でジャイブが出来るように考えていました。
(これも頭で考えたゲーム?帆走しながら、今後実際に起こり得る状況を思い浮かべて、
その状況を防止するそして脱出する!!)
それから
なるべくお互い有利不利を極端に意識することなく接触を避けることが大変重要です。
1度の沈(ミス)が大きく順位を落としその日のレースが台無しになってしまうからです。
注意することは、その同じ回航しようとする2人ないし数人でレースをしているわけ
ではないのです。その場のことだけに集中してしまうと大きなポイント損失を
招きかねません。レースに参加している人達全員でレースをしているという気持を忘
れない様にすることです。




【94年6月号のハイウインドより】。第一回実業団全日本スラローム選手権優勝での
記事。
今が旬!と言えば、実業団もこの頃旬だった気がする、加盟企業も200企業近く、加
盟者も2000人ぐらいいたんじゃないかな!また盛り上ればいいのにね。