【タクティクス講座9編、《上マークへのアプローチ、パートⅡ》】
前回の
頭のモニタースイッチ=要するにレース全体の流れを頭の中に入れながらレースをし
て下さい!っと言うこと。
それでは、タッキングについてです。
特に一回目のタックはそのレースにおいて順位を大きく左右する大きなポイントとな
りますので注意しましょう。出来れば艇速と上り角度で他艇を引き離したなら、ブロ
ーラインを見つけてタックするのが最高のパターンです。
しかもそのブローが、読み通りの風向に振れていたなら一上トップ間違いなしです!
いやいやトップは難しいとしても、トップ集団で上マークのアプローチが出来ること
でしょう。その瞬間はレーサーにとって最も興奮する瞬間ではないでしょうか。

まず、タックで注意すること!意味の無いタックはしないで下さい。
《全てのタックには理由が有るはずです》理由が無かったら理由をコジツケ
てでも理由付けするぐらい重要です。たとえば、ブローラインに入ったとか、相手の
下側に入ってしまったとか、上マークをオーバーランしてしまうとか、衝突したとか
、何でもいいですから理由付けがあるはずです。それがタッキングに対する基本的タ
クティクスです。

僕の場合は、まずその日の基本ベースとなる風向を判断します。
そして、その風向からどのくらいの角度で振れながらブローが入っていくのか読みます。
その事を頭に入れて、振れるまで待ってタックって感じのパターンが多かったです。
それから上マークに上って行く時は、どこからブローが入ってくるのか!どこに風が
吹いてるのか!海面の微妙な変化等、絶対に見逃さないように相当集中して風上周辺
を見回してセイリングしていました。ブローの入り方には神経を使い、風の無い場所
を走ることが無いように注意しましょう。
とにかく、回りの状況を出来る限り見渡し、瞬時にその状況で最高のタクティクスが
取れる様に精神的にも鍛える事が必要なことだとも思います。

それと、前回述べたその集団でトップを狙う!の意味も説明しておきましょう。
レースでは右海面と左海面に集団が分かれていきますが、それと同時に、必ずどちら
かの海面で有利、不利が発生してくるものです。ですから自分の読みとは反対の状況
になってしまうことも有るのですね。それをハマッタっとか言ってるのですが、その
集団でトップを狙ってれば、違う集団と出会った時にも大きく順位を落とすこと無く、
上位のグループに復帰することがより可能となってきます。
さぁ、これで上マークが見えて来ましたよ。
それでは次回上マーク回航準備です。




アジア選手権はタイで。世界選手権はシンガポールで。
どの海外試合も8日間の長丁場で、肉体的精神的にかなりハードで後半いつも順位が
悪くなっていった。思えば、外国語が喋れればもっとリラックスしてレースできただ
ろう!!
上の成績表は90年のアジア選手権にて。この時はライトクラス(70Kg以下)で総合10位。
タイの食をナメテかかったせいか、3日目以降は下痢との戦いだった!!